第99回を迎えた箱根駅伝。第1区は非常にスローぺースとなった中、オープン参加の関東学生連合の新田颯選手(育英大)が飛び出しての大逃げの形となり、ラスト数キロで抜かれるまで(相対的に)独走となり、新田選手一躍時の人となりました。
このシーンを目の当たりして感じた点が4つ。1つは、改めて感じた点ですが、箱根駅伝はチームスポーツであること、個人的に力がある選手も同じ大学の他のメンバーに恵まれなければ本大会にはなかなか出ることが出来ないという点。
2つ目は、大学として本戦に出れなくても個人としての力がある選手はやはり存在するということ。
3つ目は、力を発揮したい場面でのコンディションが如何に大事か。どれだけ力があってもコンディション不良であればやはり満足のいく結果は得られないだろう。新田選手もコンディションが悪ければ飛び出すことは難しかったかもしれません。おそらくコンディションが良かったのだろうと推察されます。
4つ目は、いわゆる無名の人材が一躍スポットライトを浴びるチャンスがあるとすれば、そのチャンスは大いに利用しなければならないということ。一方で、無名のままでいいと本人は思っていても、その環境がそうさせてくれない、自然にスポットライトを浴びることになる状況が一定数存在すること。です
最終的には駒澤大学が総合優勝を果たし、大学駅伝3つ完全制覇という結果で終わりました。
が、ランナー個人の注目のあび方という点では1区育英大の新田君が今大会No.1だったのでは。特に普段陸上長距離に詳しくない者にとっては、インパクトがありました。
SNSなどが発達した現代、いわゆる「バズる」状態をつかんだものが勝つ、これはスポーツに於ても芸能にしても政治にしてもビジネスにおいても、バズったものこそ勝者という風潮が、2023年以降も続くのだろうと感じる価値観が根付いていると実感した瞬間でした。
さて、ランナー、とりわけ長距離ランナーでは、overuse(オーバーユース;使いすぎ)による障害が頻発します。膝関節周囲では、大腿四頭筋腱炎、シンディング・ラーセン・ヨハンセン病、膝蓋腱炎、オスグッドシュラッダー病、鵞足炎、腸脛靭帯炎、有痛性分離膝蓋骨、タナ障害、などが診療の場面ではよく遭遇します。
幼少期~中学生頃までは、骨と筋腱の成長スピードの相違、組織が未熟であるが故の病態が主に生じます。高校、大学以上の選手となると骨や筋腱そのもののトラブルが増え、疲労骨折、靱帯損傷などが多くなります。また、内因性の疾患も常に隣り合わせです。
高負荷なトレーニングにより慢性的な栄養素の不足は常に気を付けなければならない問題の一つです。例えば鉄欠乏はあらゆる時期で見られる現象で、女性ランナーであれば生理不順などにもつながります。
どれだけ普段鍛えてトレーニングを積んでも、自らのコンディションがダメだと本番で満足のいく結果を得られないことにつながります。青山学院大学の5区を走る予定だった選手が直前でコンディション不良になり交代となりました。きっと悔しくて眠れないでしょう。
どの選手もお疲れさまでした。
来年の箱根駅伝は記念の100回大会ということで、予選会は全国から出場OKらしいですね。
ここはぜひ全国の普段箱根には縁がなかった大学にも頑張ってほしいです。

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